本多 孝好 (著)

面白かったです。週末に一気読み。
繰り返される日常の中で、自分の存在に疑問をもってしまうと、死んじゃいたいって思うことってあるかもしんない。
なんて思いながら、重たーい気分で読み出したのですが、主人公の女性、途中からキャラ変わって(そう、あれ?と思って何度も読み返したりしたから)。
この女性がどうなるかっていうことと、もう一人の主人公、雑誌の記者が追っている謎がからみあって、最後はそうなんだぁ〜っていうビックリが待っています。

バンクーバーオリンピック、楽しかったですね。
なぜかオリンピックというと、国別の色別メダル数が話題になりますが。
それぞれの人が自分のベストを尽くそうと頑張る大会で、メダルの数はあまり関係ない気がします。
なんか、「自分のベストを尽くす」姿を観ることができるだけで、元気や幸せをもらえます。
もちろん、アスリートの人たちにとって、メダルというのは目的の一つだと思うので、ソチではさらに飛躍していただきたいと切に願うわけです。

で、この本。
東京オリンピックを人質に、国家に戦いを挑んだ若者と国家の威信をかけた警察組織の戦い。
うーん、長いっ!
バンクーバーが始まる前から読み出したのに、結局昨日までかかった・・・
ちまちましか進まないところもあったりして。
時代背景、オリンピックに向かっていく人々の高揚感。エネルギー。一方で踏みつけられ続けてる人々の苦しみ。絶望。
今の格差社会に通じるものがあると考える人もいるのではないでしょうか。
その格差を是正すべく若者が国家に立ち向かっていき、かたや国家はその威信にかけてそれを阻止しようとするって話。
私がこの作品を読んで、イヤだなーと思ったのは、警察がマスコミを抑えて情報を統制していくとこでしょうか。今だったらこんなことできないでしょうって思います??いやぁ、わかんないですよ。警察がいってるからホントでしょって思ってません?私は思ってます。でも本当って何かは自分が判断しないといけませんね。
あ、少し話がずれちゃいました。
長いんですけど、そんで最後はちょっと拍子抜けしちゃうんですけど、読んでみてください。
戦争が終わって、焼け野原から立ち上がってくる日本のエネルギーとそのエネルギーが踏みつけにしてきたものを感じ取れ、考えさせられる一冊です。